最近の外来の傾向として、うつ病、躁うつ病の診断と治療を望まれる方よりも、
「この患者さんは一体、何に傷ついているのか?」と考えてみる「トラウマ外来」の方が患者さんのニーズに合ってきています。
表面的には、上司のパワハラであっても、よく聞いてみると、就活時代に心が折れるような体験をしている、もっとさかのぼると、高校時代や中学時代に部活やクラスでの傷つき体験があって、小学校の時に先生にひどく叱られていたり、幼児期に親の夫婦喧嘩や離婚を経験している。
こんなことがあって、心の傷(トラウマ)の再体験を繰り返している、複雑な状態で来院される方が多くなりました。
トラウマの後遺症のある方は、フラッシュバックと呼ばれる嫌な記憶を、画像や音声付きで再体験する症状を持っている事がよくあります。
分かりやすく言うと、何もしていないときに、フッと無意識に昔の嫌なことが思い出されてくる症状で、記憶の障害の一つだと患者さんには説明しています。