土曜日の午後に印象深い外来がありました。
50代の独身一人暮らしの男性で柔らかな自閉症と完璧主義をお持ちのかたです。
5月から個人指導スタイルのスポーツジムに入ったそうです。理由は「とやかく言われないとやらないから。。」「私は人からとやかく言われるのが嫌でこれまで自分の好きなようにやってきた結果が今です。冷静に振り返ったら人生失敗でした。だから、これからは、とやかく言ってくれる人たちと付き合うことにしたんです。」と。
私は聞いてみました。「私たちはあなた様に、とやかく言ってきたでしょうか?」と。
すると、「ええ、いつも取り合ってくれました。普通ならスルーするところを笑ってくれたり、真面目な顔で頷いてくれました。あれが結局良かったんですよ。」と。
診療中に患者様から、褒められる事に対してはいつも、一定の距離を置くようにしています。
ですが、この日、このご返事は、なぜか嬉しかったです。
「大人は、無関心より、おせっかいなくらいがちょうど良い。」
自分の家族のように考え話しかける、そんなことが大切な時代なんだと体感しました。