ご縁をいただいた高校生のなかで、この春、無事に大学に進学した
学生の帰郷が相次いだ。
中学から高校で不登校を経験した生徒の進学はことのほか嬉しいものですが、
進学先の大学側からは大きな課題をつきつけられます。
元々の能力が高くても一時的に学校に(社会に)行かなかった時期のあるお子さんの場合、
親が考えている以上に本人の社会性は落ちているもので、規則正しく学校に通うことや、
クラスメートとの協調性は相当に障害されているケースが多いものです。
過去に不登校があったことや、発達の問題があったことなど、入学後に大学に知らせても、
今の我が国では手厚い支援は難しいのが現状です。
そのため学生の側に変化が求められ、履修登録につまずいたり、
出席そのものが困難になったりで、次第に学校にいけなくなってしまうのです。
先日ある大学の学生支援室から、わたしの患者に次のようなコメントをいただきました。
最低この2つができないと単位の取得(進級)は難しいとの最後通牒です。
(1) 学校に呼ばれたら必ず顔をだすこと。
(2) 担当教科から指導を受けたらその指示に従うこと。
厳しかったです。でも実は社会では当然のこと、普通の人には普通にできることです。
そのため、不登校を経験した生徒さんは、大学への進学前か入学直後、
あるいは卒後でもよいので、2年くらいの社会性(学力の補完も大切です)の
養成の場がいるように思うのです。