先日、近隣のお医者さんから患者さんが希望するので、
認知行動療法をしてくれないかと問い合わせをいただきました。
大分県では地元の精神科クリニックと身体科医療機関との連携マニュアルがあり、
そのなかで、わたしが認知行動療法の欄に〇印をつけていたためでした。
認知行動療法については、やることはやっていたのですが、
どうもうまくいかない症例がでてきました。
技量不足が原因ですが、丹念に考察していくと、どうもそれだけではない、
うまくいく症例といかない症例とにわかれるのです。
認知行動療法は、個人の内省を利用した治療法です。
実際の精神科外来で行う精神療法、
「きょうは、どういったことでおいでになられましたか?」 「・・・」
「どうして、こういうことになったと思われますか?」 を行うと、
それだけですごく良くなる患者さんもいますが、
一定の割合で混乱する患者さんがでてきます。
後者のタイプの患者さんは、内省する力が薄いために、
個人の内面を問う精神療法を実施すると逆に混乱してしまうのです。
同様に、認知行動療法を行うと状態が悪くなるケースがでてきました。
少なくとも変化がない。
技量にもよるのでしょうが、わたしの場合はそうでした。
そういうこともあり最近は認知行動療法をお受けしていないのです。