成人・子供を問わず、ADHDやアスペルガーの相談を多くいただくようになりました。
特に大人のADHDの診断をして欲しいという御要望をいただきますが、
これは就労の問題が絡んでいるからでしょうか。
最近では、相談者や家族もたいへんよく勉強されており、以前のように、
診断や治療に抵抗感を示す人も少なくなってきたように思います。
ただ、発症例も相談数も10年前よりは確実に増えています。
ADHDの鑑別の一番の特徴は、成人期以降、仕事が続かない、転職が多い、
いつも似たような理由や状況で職場を辞めていることに尽きます。
さかのぼり幼児期から学童期にかけ忘れ物や不注意、提出期限の遅延が目立ち、
中学時代から学校不適応が始まっていることで特徴づけられます。
最終的な決め手は、発達障害には「散発例」や「孤発例」は経験せず、
必ず両親のどちらか一方、あるいは、近親者に似たような個体例があることです。
わたしは、これを遺伝性とは呼ばず、家族内集積性と呼んでいますが*
子どもの診断を迷っているケースで、親御さんに会い、すぐに診断にいきあたる
といったケースがでてきます。 *原因遺伝子が単離されていないため
しかし、実際の診断にはかなり慎重を要し、幼稚園から小学校、中学校までの
通知表や作文、連絡帳、絵画など詳細な検討をしたのち行います。
子どもはわかりやすいのですが、大人は1回の診察や検査でわかるものではありません。
それだけ非特異的な症状なのです。
医療機関で相談を受けるメリットとして、最近では、お薬の効果が
かなり認められるので、症状の改善も期待できることです。
ただし、本人に働く気がないことや、家庭の複雑な事情までは、
お薬では治せませんので、そのことについてはあらかじめご了承
いただくようにします。
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