最近は、ストレスをかかえた人が多くなり、自律神経失調症や適応障害、うつ病など様々な病名をよく耳にするようになりました。
さて、自律神経失調症は、たいへん不思議な病気で、めまいや動悸、頭痛、吐き気、不安感、食欲不振、腹痛、下痢や便秘など、さまざまな症状を訴えますが、検査で異常がみつからないのが特徴です。 これを、医師のサイドでは、原因が不明であることから不定愁訴症候群と呼んでいます。
さて、自律神経失調症であらわれる、体の様々な症状に対して、それぞれの医師が薬を出していたら、沢山の薬が必要になるでしょう。
さきほど検査で異常がみつからない病気と説明しましたが、この病名が使われはじめた1960年代は確かにそうでしたが、最近の分子整合栄養医学の知識をもちうると、
採血検査で自律神経の緊張状態をみぬくことが可能です。
具体的には、自律神経の変動は、白血球分画を調べ、好中球膜にノルアドレナリンレセプターが存在し、リンパ球膜にアセチルコリンレセプター膜が存在することを応用すると、その緊張状態を知ることができるのです。
このようにして科学的に自律神経失調症を診断することで、これまで山のようにもらっていたお薬を、すこしでも減らすことが可能となります。
わたしのクリニックでは、自律神経失調症の治療は、保険適用内の血液検査を行い、結果を詳細に分析して原因をさがしたうえで、自律神経の緊張を鎮める運動と食事などの指導を行うようにしています。 また栄養欠損のある方には保険適応のサプリメントを補給することもあります。