東日本大震災以来、わたしたちの周辺は、かつてないほどの閉塞感におおわれており、
ある意味では、幕末から明治維新にかけての倒幕期、終戦の混乱期に次ぐ第三の国難の時期にあるのかも知れません。しかし、そのどの時代においても、わたしたちは諸外国から尊敬されることによってその国難から立ち直ってきました。
たとえば明治期は、江戸時代の寺子屋に代表される高い教育・道徳水準によって、
戦後はTOYOTA、NIKON、HONDA、SONY、SUZUKIなどものづくりの会社が創りだした
高い製品の力によって復興を成し遂げました。
復興には人材が必要です。平穏な時代には集団主義や上下の関係を重んじるタイプの人材が求められますが、先行きが不透明な時代になるほど、新しいものに興味と関心をもち、勤勉さを怠らない人材が必要とされるようになります。そして、そういう龍馬のようなタイプの人材が輩出するためには、風通しがよく、閉鎖的でない、開放的な家庭や学校・職場環境が大切になります。
今、わたしたちがなすべきことは勉強することではないかと考えます。特に若い人たちにお願いしたいことは、生涯の友と出会い、自らの人生の基礎を築く学びの期間として、
15歳(高校1年生)からの10年間を大切にしていただきたいということです。
勉強はいつでもできます。しかし、最初にいつ勉強したかで、その後の人生で、ものを深く考えることができるか否かが決まります。読書が大切になります。そして若い時期に、いろんなタイプの人に出会い、話をしていると、その後の人生でも人間関係がうまくいくのです。