高校生が、「自分は何をやらせてもダメだ、人の中に入っていけない、嫌われる、
視線が気になる」 など、自尊心の極端に下がった感情を述べる場面に出くわします。
このような自己否定の強い状態というのは、生活や仕事を楽しめず人生に行き詰まりを感じているものですが、では、どうして高校生がこうなってしまうのでしょうか?
実は、この自己否定というのは、大人である親世代のほうに根差しているケースのほうが遥かに多く、もっとも典型な自己否定のセリフは、「あの人は昔、こんな失敗をした」
「彼には、こんな不行状があったから、やめましょう」「どうせあいつに言ってもダメだから、やめたほうがいい」と、他者否定の形をとります。
だが、これは明らかに自尊感情の低下した時のセリフで、過去に人間不信があり、他人を信じる力を失った大人のセリフです。
つまり、『自分が変われないから、相手も変われない』 『自分が失敗を契機に飛躍できなかったから、相手も転進することはできない』という何とも狭い了見が前提にあるのです。
もし若者が、こんな大人にかかわっていたら、きっと人生の早期に自信を失うでしょう。
高校生にはこう答えます。若いときには、他人を見返す、思い知らせる、という動機でがんばるのも良い方法だろうと。ただし、一生懸命、働くことや勉強することが前提である。
それは、君自身が尊敬され、力をつけるために最も良い方法だから。
でも努力を払うという作業の途中で、考えることを、決して忘れないで欲しい。
君の働きや勉強の方向性は、常に、君自身や家族や会社、学校にプラスの方向にいっているか確認しながら進むようにしてください。と。
いよいよ4月に入りました。高校生や若者のみなさん、人は必ず変わるし、変われます。
特に若いときは、ほんの少しの背伸びが本物になる可能性を秘めています。
どうか可能性を信じて勉強や仕事に打ち込んでください。