がんをお持ちの患者さんのなかで、がん腫が大きくなった方に、しばしば低血糖発作の出現をみます。
これは、進行がんの巨大化にともなうブドウ糖の大量消費が起きるための現象で、
特に肝臓に転移した場合に多く観察します。
低血糖の症状は、不眠や冷感、戦慄、夜間の金縛り、パニック発作、意識障害が主体ですが、
その改善にお薬は無効な場合が多く、経口でのアミノ酸補給やBCAA,ビタミンA&B、
就寝前の糖食をお勧めします。
進行がんの場合、個体のエネルギー消費量は膨大ですので、がん患者さんは安静にしていても大量にエネルギーを消費し、痩せていかれます。
そのため正常組織にも十分なエネルギーがいきわたるような栄養補給が大切になります。
しばらくの間、がんと栄養についてお話をしてみます。