前回まで2回にわたって、大人のADHD(注意欠損多動症)について、そのわかりにくい特性を子どもの学校活動に照らして説明してみました。 法則性のあるストーリーですので、きっと身近に思い当たる事例もあったと思います。
ADHDについては、その発症率は、圧倒的に女性のほうが男性よりも高いため、
今回は、あえて主婦をモチーフにして描きましたが、実は、男性のADHDも特性のある社会生活像を描きます。 こちらについては、また来年に、ご案内いたします。
ADHDの深層特性にある、『自分の事を人にとやかく言われるのを極端に嫌う』 特性と 『自尊心の高さ』 『維持困難』は、子ども時代もさることながら、成人後により顕著に目立つようになります。
“ショッピング” 率はずば抜けて高く、医療機関や学校、友人関係、職場、趣味、
結婚生活の変更など、やり直しが多く、遠回りの人生や、それによる社会的な到達点の低さが人生の問題となっていきます。
また、クレーマーや虐待の傾向も高く、ついつい社会の容認を超えてしまい、司法が身近になっていくので自重が大切です。
子どもたちにとって大切な問題は、ADHDの傾向を持つ親が、子どもの社会にまで、
親の持つ偏った成功体験や価値観を持ち込むことによって生じる、子ども同士の仲間はずれや、子どもの教育や社会活動、医療の機会を逃させてしまう、二次性被害にあると言えます。
未診断のADHDの放置については、家庭や社会の損失が大きいだけでなく、近年は貧困化の原因になっていますので、早めの診断と自己理解が大切になります。まずは、そこから始まります。 自閉症領域の社会適応をはかるには、週に1回は親子で通院し、それを3年間は維持するくらいの覚悟が求められます。 それを受け入れトレーニングすれば何とかなっていくものです。
月と子どもの写真(1)