ADHD(注意欠損多動症)の傾向を持つ母親にとり、学校活動への参加は大きな困難と言えます。 なかでも春のPTAの役員決めは、一大イベントで、安易に引き受けてしまい、
辞められない状況におちいるお母さん方がたくさんいます。
ではどうして、彼女らはPTAの役員をしたがるのでしょうか?
共通しているのは、ある種の楽観さであり、自尊心の高さでしょうが、“自分に出来るはず” という前提で引き受けますが、皆と同じようにできない特性があり、どうしても指示に従えない、同時に2つのことをできないので、やってみると思っていたようにデキナイ、出来ないと悔しく傷つくのですが、その傷つき方が半端でなく深く長すぎる特性があり、決して忘れることができません。 そのため自尊心が下がり、被害的な解釈をするようになるようです。
そして、他人から自分の事をとやかく言われるのを極端に嫌い、そこから逃げ出したくなるようです。
ですが、他の役員やお母さん方には、ADHDのお母さんの行動と辞める理由は決して理解できず、わがまま・自己中心的・投げ出し、と映り、激しい非難を呼び起こすようになります。
そこで孤立、行き場を失ったお母さんが外に助けを求めるようになるのです。
では、どうしたらよいのでしょうか?
答えは、最初から “引き受けなければよい”。のですが、彼女らは “それでは気が済まない” ようです。褒められたり、他人から評価されたり、注目されるのが好きなのです。
このような特性をお持ちのお母さんは、自分をコントロールし、他人を怒らせない、
攻撃されないように社会をサバイバルできる方法を、一緒に考えることが大切になります。
そして最終的には、人を喜ばせるような行動ができるようになることが治療の目標になるのです。