今月号の文藝春秋、≪「抗がん剤は効かない」のか 患者代表・立花隆、近藤誠に質す≫
を読みました。
立花隆さんは、自らもがんを患いながら、2009年11月23日に、NHKスペシャル
「立花隆 思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む」のなかで、がんの発生メカニズムと治療効果について遺伝子レベルで検証を行った、がん治療について患者側に立つジャーナリストです。
その立花氏の誌上対談の相手は、先月号の文藝春秋で、「抗がん剤は効かない」をレポートされた、慶応大学医学部の近藤誠医師です。
本文では分子標的薬など最新のがん治療薬について活発な議論がなされるいっぽう、
抗がん剤に延命効果が期待できない点や、認可そのものものに問題があることが取り上げられており、これから、がん治療を考えておられるかたに参考になる内容になっています。
対談の最後に、立花隆さんは、次のように述べています、
「時間軸で考えると、あと何十年か、もしかしたら百年しないとがんの世界は制服できないかもしれません。ですから、これからもがんの正体がよくわからないうちに、世界のがん患者の大半は一生を終えなければならないのです。 結局、わたしたちは、そのタイムラグ中に起きる不都合な現象をすべて引き受けなくてはならない、そういう混沌とした状況の中にいるのです。」と。
立花隆さんは、がんのことは、まだほんのわずかしかわかっていないことを訴えています。
実際に、がんがあっても検査も受けずに、手術もしないで、長生きしているひとはたくさいます。がんは自分自身であって、自分の生命現象の必然としてできたものだ、ということを押さえておくだけで、希望のある、明るい対応が可能なのではないでしょうか。