外来をお預かりして17年目に入りますが、「建前と本音」の区別がつかない、いわば、「建前で押し切る」事ができない患者様と随分たくさん遭遇してきました。
この率直すぎる(正直すぎる)現象は、何なのか?最近よく考える事がありますが、ひとつのデータとして、躁うつ病の躁状態と自閉スペクトラム症(ASD・アスペルガー症)の患者さんでは、率直すぎる言動を観察します。
躁うつ病の患者さんは、基本、メンタルは弱く、相手の気持ちを先読みするような忖度のある会話をしますが、躁状態になるとフィルターが外れて、あとで後悔するような辛辣なことを、口にしてしまいます。メンタルが弱いので(気にするので)、後日、自分からものを頼めなくなってしまいます。
他方で、
自閉スペクトラム症(ASD・アスペルガー症)では、相手の気持ちや場の空気を読むことができなくて、考えている事をそのまま口にしてしまいます。
その率直さは、聴くものをして、一種の爽快さを感じさせる場合や、驚きを与える場合があり、人の事を気にしないので、メンタルは強いです。
代表的なのは、相手の容姿を遠慮なく指摘する点です。社交辞令でも相手を褒めることが難しく、いわば、故意に嘘をつけない人たちです。
※未熟さや幼さを感じる場合には、私は境界知能を考慮しています。