【パニックを静める】と題して連載開始したブログもいよいよ後半をむかえました。
これからは【パニック障害】や【うつ病】患者に多くみられる【機能性低血糖症】と
その解決法として優れた【糖質制限食】(炭水化物制限法)について
説明したいと思います。
筆者は7年前から、不安をもつ患者の過食行動に注目して、
チョコレートや缶コーヒー、ジュースなど糖質の量を制限しながら、
たんぱく質と脂質中心の食事を指導して良い成績をおさめてきました。
これを【糖質制限】とよびます。
この方法は簡単で日常生活で普通の人々でも実行可能ですが、
実際に【糖質制限】を困難にしているのは、世の中に、おいしいスイーツ、
お米、麺類、菓子パンが氾濫しているからにほかなりません。
ですが、考え方を変えてみると、これだけ糖質が氾濫しているからこそ、
色々な病気が増えたともえいます。
美食やパン、スイーツを食べると、そのたびに血糖値は上昇し、
それを下げるために、膵臓に【インスリン】というホルモンの大量分泌が指示されます。
1日に何度も血糖上昇が起こり、反応性に低血糖発作が起きるたびに、
【膵臓は疲弊します】。膵臓からは血糖値を下げるインスリンだけでなく、
血糖上昇ホルモンであるグルカゴンも分泌されていますので、疲労してくると、
これら内分泌ホルモンの調節機能を失いコントロールが不能な状態に陥り、
激しい血糖値の乱高下を招くようになります。
これがパニック発作やキレやすい子どもたち、急に泣きだしたり、激しい敵意や拒絶、
を示す、リストカットを行う原因となるのです。
この甘いものによる高血糖→反応性の低血糖の循環でダメージを受ける臓器は、
膵臓だけでなく【副腎もまた疲弊していきます】。そのため副腎髄質からはアドレナリン
が、副腎皮質からはコーチゾンが過剰分泌するようになります。
こうなるとヒトの感情はもうグチャグチャになり、
本来のそのヒトからはかけ離れた性格になり人格が変わったように見えてきます。
甲状腺ホルモンのチロシンはアドレナリンの原料でもありますから、
【副腎疲労】が起きると、甲状腺機能低下症を併発することもありえます。
こうして思いもよらない方向に病気は広がっていくのです。
筆者の体験では【副腎疲労】をもっとも招きやすいのはチョコレートでした。
次回は【低血糖症】の解決法である【糖質制限食】をご案内します。