先日は、大人のADHDを持たれる方の貧困化についてふれました。
お話を伺いながら感じることは、とにかく、人からとやかく言われることを嫌うかたが
なんと多いことか! です。これは怒られていることが多いので自尊心が傷ついている、
こととも関係しますが、プライドの高さも関係します。
職場で上司があつかいにくい部下としてとらえている核心的な部分になっています。
しかし、言われる側からしてみるとパワハラや差別を受けているとしか思えないので、
両者の認識の差は大きいようです。 この傾向は子供の時から始まっているもので、
通知表をみると担任の先生もやんわり指摘しています。
大人のADHDを持たれる方の私生活に目を移したとき、
そこでは、しばしば “欲”のコントロールが困難になっている状況に直面します。
大人のADHDを持たれるかたは、ストレス下で、“欲望”が増大する傾向があります。
普通、人には少々の環境の変化には適応して、節制する力がありますが、
ADHDを持たれるかたの場合、逆に、欲が暴発する傾向があるのです。
それが時に過度に活動的な生活に見えることさえあります。
過食はその代表で、人の欲望のなかで唯一、他者に迷惑をかけない欲が、
食欲ですので、まず、ここに走るかたが多くなります。
次いで、薬物依存とアルコール乱用、ショッピング癖、ギャンブル癖、乱費
新しい家庭(異性)を求めるなど、本来は節制しないといけない場面で
逆に制御は困難になっています。
そこから経済的に破綻し、貧困化や生活保護におちいる方をずいぶん経験しました。
前述の職場での不適応→離職・転職→貧困化の流れと同じくらい、
私生活について一緒に考え修正することは急務になっています。